「総合技術研究会2017 東京大学」の開催にあたって

東京大学 総合技術本部長、大学執行役副学長 小関 敏彦

「総合技術研究会2017 東京大学」を開催するにあたり、全国の大学・高等専門学校及び大学共同利用機関からお集まりいただく皆様を、東京大学を代表して心から歓迎いたします。この研究会はそれぞれの機関において、技術系職員が携わっている広範囲な技術業務ならびにそれに関わる専門的知識を発表し、機関や専門領域を超えて意見交換を行う大変重要な場であります。通常の学会とは異なり、日常業務から生まれた創意工夫や失敗事例なども重視し、参加者の技術交流と技術向上、さらにネットワークの構築を図ることを目的として開催いたしております。

東京大学での開催は実に14年ぶりで、この間、東京大学では、それまで部局単位だった技術職員の組織を横断する全学組織、総合技術本部を2012年に新たに設立し、技術職員間の連携や情報提供、連絡調整を行っています。それによって部局を越えた技術の交流や伝承、ネットワークづくりを目指しています。この観点から昨年度は、総合技術本部主催の全学の技術発表会を開催し、これまでお互いに顔を合わすことが少なかった3キャンパスならびに全国各地の研究施設の技術職員が一堂に会して連携を深めることができました。そして今回、その総合技術本部が主催して、本学で全国規模の研究会を開催できることは、東京大学の技術系職員の大きな喜びであり、全国の全ての技術職員の専門分野を網羅して、充実した技術討議や交流ができるよう準備を進めております。

現在、大学は世界トップレベルの研究力と共に「Society 5.0」に向けて大学の持つ学術の成果を社会への貢献につなげることが求められ、様々な分野で様々な形で学術研究を支える技術職員もまた、卓越した専門技術力を研鑽すると共に、他分野との協働を進め、得られた技術的な知見を社会にフィードバックする真のプロフェッショナルとなることが求められています。本研究会は12分野に分かれて専門技術の発表を行いますが、専門分野の交流だけではなく、異分野の技術に接して吸収し専門技術間の融合の中から新たな知見が生まれる場となる事を期待しています。

開催地となる本郷キャンパスは首都東京の中にでも特に交通の便もよくご参加頂きやすい環境にあります。ぜひ、多くの技術系職員の方々にご参加いただき、実りある技術交流がなされることを切に願っております。たくさんの方々のご参加とご協力をお願いいたします。

Koseki Toshihiko Photo

「総合技術研究会2017 東京大学」 開催ご挨拶

実行委員長 栄 慎也

「総合技術研究会2017 東京大学」を開催するにあたり実行委員会を代表してご挨拶申し上げます。

技術研究会は1976年に分子科学研究所技術研究会を始まりとして核融合科学研究所、高エネルギー加速器研究機構の3研究所が持ち回りで開催し発展してきました。2001年には初めて大学で開催され、東北大学でおこなわれました。これ以降3研究所と大学が隔年で開催してきました。さらに2003年3月の東京大学での開催に際し、大学特有である実験実習技術分野等が加えられ、これ以降大学での開催時には10技術分野にわたる「総合技術研究会」として開催されるようになりました。

文部科学省所管の大学、高等専門学校及び共同利用研究機関の技術職員の業務は非常に多様性をもっています。総合技術研究会は、その多様な全ての技術分野を網羅しそれに従事する技術職員が発表、討論に参加する場で、ここに全国から技術職員が一堂に会し、個々が有する新規性、進歩性、有用性のある専門的知識を発表、討議する事により、今後の技術的な教育研究の向上を図ることを目的としています。さらに技術職員の技術力の向上により各職場を活性化させ、牽いては社会にフィードバックさせることが求められています。

本研究会は、2012年4月に設立した東京大学総合技術本部のもとに立ち上げた実行委員会が準備にあたっています。本研究会では、企画をいくつか用意いたしました。まず、3月8日午後に技術交流会を予定しております。これは本学の幾つかの特徴ある施設を公開し運営にあたる技術職員との技術交流を行うものです。また、シンポジウムとして、今日まで発展してきた技術研究会について「技術研究会の歴史とこれから」の題目でパネルディスカッションを企画しています。さらに、特別講演として、2015年ノーベル物理学賞受賞の東京大学宇宙線研究所長 梶田隆章 特別栄誉教授による「技術の粋を集めて挑む重力波の観測 -KAGRAプロジェクト-」の御講演を頂く事となっております。また、一般講演やポスター発表も充実したものとなるように実行委員一同準備にまい進致しております。本研究会により各分野の技術力の向上を図るだけではなく違う分野の技術との融合も図ることが出来れば幸いです。

全国の技術職員の皆様のご参加をお待ち申し上げます。


総合技術研究会2017 東京大学 開催案内

  • 主  催 : 東京大学総合技術本部
  • 開催日時 : 2017年3月8日(水)、9日(木)、10日(金)
     主なスケジュール開催分野
  • 会  場 : 東京大学本郷キャンパス (〒113-0033 文京区本郷7-3-1)
    【受付】 安田講堂(3月9日 9:30~15:00)、工学部新2号館221号室(3月9日 15:00~)
    安田講堂(開会式、特別講演、シンポジウム等)
    工学部2号館、3号館、8号館(口頭発表、ポスター発表)
    生協中央食堂(技術情報交換会、会費5000円)
  • 特別講演 : 3月9日(木) 13:15~14:15 安田講堂
    「技術の粋を集めて挑む重力波の観測 -KAGRAプロジェクト-」
    2015年ノーベル物理学賞受賞
    東京大学宇宙線研究所長 梶田 隆章 特別栄誉教授
    ※特別講演のみ参加される方も、「 参加登録(聴講参加) 」及び参加登録料が必要です。
  • シンポジウム: 3月9日(木) 10:00~12:00 安田講堂
    「技術研究会の歴史とこれから」
  • 参加登録料 : 2,000円(「発表参加」「聴講参加」とも)

開催までの主なスケジュール

  • 2016.09.01 HP公開
  • 2016.10.03 参加登録の受付を開始。(「発表参加」の要旨・予稿は登録後、11月30日までに)
  • 2016.11.30 「発表参加」申し込み、および要旨と予稿の提出締切
    ※ 要旨は200文字程度
    ※ 予稿はA4で1ページまたは2ページ
    ※ 発表参加の申し込みは終了しました。多数の申し込みありがとうございました。(2016.12.01)
  • 2017.01.13 プログラム公開
  • 2017.01.31 「聴講参加」登録および情報交換会、技術交流会参加申込の締切

開催分野

  • (1) 機械工作・ガラス工作技術分野
    ◆機械工学 ◆材料工学 ◆教育・研究用実験装置の開発・設計・製作 他
  • (2) 装置関係・実験装置・大型実験技術分野
    ◆真空,放射線,高圧,高電圧,高周波,磁石等 ◆大型装置開発 ◆大型装置運転 ◆維持管理 ◆施設運用 他
  • (3) 回路・計測・制御技術分野
    ◆電力 ◆通信 ◆回路 ◆半導体 ◆信号処理 ◆制御 ◆計測 ◆データ処理・記録 ◆メカトロニクス ◆ロボット 他
  • (4) 極低温技術分野
    ◆低温実験 ◆低温実験装置 ◆低温材料 ◆高圧ガス ◆液化システム 他
  • (5) 情報・ネットワーク技術分野
    ◆アプリケーション開発 ◆データベース ◆ネットワーク ◆システム管理 ◆CG ◆セキュリティ ◆認証 他
  • (6) フィールド計測・農林水産海洋技術分野
    ◆自然観測(地震・火山,海洋,天文等) ◆生物学 ◆農学 ◆林学 ◆水産学 ◆栽培・生産 ◆食育 他
  • (7) 生命科学技術分野
    ◆医学 ◆歯学 ◆薬学 ◆細胞・形態 ◆遺伝子・蛋白質 ◆動物実験 他
  • (8) 分析・評価技術分野
    ◆機器分析 ◆化学 ◆物性 ◆メカニズム 他
  • (9) 実験・実習・社会貢献技術分野
    ◆実験・実習 ◆ものづくり学習 ◆課外活動 ◆地域貢献 他
  • (10) 建築・土木・資源開発系技術分野
    ◆建築学 ◆土木工学 ◆自然災害・防災 ◆自然保護・環境工学 ◆循環型社会・廃棄物 ◆資源・エネルギー 他
  • (11) 施設管理・環境安全衛生管理技術分野
    ◆施設整備 ◆施設維持管理 ◆施設内省エネルギー対策 ◆安全衛生管理 ◆作業環境測定 ◆特別管理産業廃棄物管理 ◆化学物質・薬品管理 ◆安全教育 他
  • (12) 文化財保存技術分野
    ◆文化財保存 ◆文化財保護 ◆文化財分析 他

参加費について

  • 参加費はそれぞれ以下の通りです。
  • 参加登録料
    : 2,000円(※)(「発表参加」「聴講参加」とも)
      * 当日参加登録料
    : 3,000円(受付にお越しください。おつりの無いようにお持ちください)
    技術情報交換会参加費
    : 5,000円(※)(事前登録が必要です。当日参加はお受けできません)

    ※事前に郵便振替にて徴収させていただきます。なお手数料については、振込者にてご負担ください。
    ※お振込みいただいた参加費は、キャンセルいただいても原則返金はできません。
  • 技術交流会参加費
    : 実費負担(申し込まれた交流会の会場にてお支払いください。)

登録情報(個人情報)の取扱いについて

  • 発表及び参加申し込みで収集した個人情報は,原則として本会の運営のみに使用します。
  • 例外として,次回以降に開催される技術研究会の開催案内の連絡に用いられる条件に限り、 参加者の氏名及び所属,、Eメールアドレスの情報を主催の実行委員会に譲渡する場合があります。